KentaSato’s blog

欧州蹴球日記 in Croatia

Erfahrung




今回は海外で体験した困ったエピソードを書く。


日本ではなかなか経験出来ない事だと思うので、この機会に知っておいてもらいたい。




「暖房が無い」
「窓が閉まらない」

モンテネグロで所属していたチームからは住居、1日2回のレストランでの食事が提供されていたのだが…
自分が住んでいた街は山の近くで、10月頃にもなると夜はかなり冷えたし、雪も積もっていた。
家には暖房がなく、暖まる方法と言えばシャワーを浴びるか、厚着するかくらいしかなかった上に、なぜか窓が閉まらなかったため家にいるのに気温は外と同じくらい寒かった。なので寝る時はスウェット、ジャージを着れるだけ着て、更に毛布はあるだけ使っていた。

シャワーも水しか出ない事もよくあり、アウェイの試合後、深夜2時に帰宅した時は冷水を我慢して浴びた事もあった。

サッカー選手として体調管理に気を付けるのは当たり前だが、当たり前の事が出来ない環境もある。当時はかなりキツかった。


「電気がつかない」

ヨーロッパでは、冬が近づくと極端に日の落ちるスピードが早まる。

練習後に帰宅すると既に家の中は暗く、電気をつけると電球が割れて使えなくなった事もあった。
急激な気温の低下のせいなのか、原因は分からないが、全ての部屋の電球が割れた事もあった。
その際は携帯のライトで誤魔化していた。

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「水問題」


ハーフタイムで飲んだ水が原因で、試合後に腹を壊した事もあった。


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練習時に水が用意されておらず、チームメイトがグラウンドにあるスプリンクラーの水をボロボロのペットボトルに入れ、それを回し飲みしていた事があった。

ハードな練習だったが、腹を壊すと思ったので飲まなかった事もある。


ドイツでは大丈夫だが、海外では水も危険なところがあるので注意が必要だ。

また断水や、冷水しか出ない日もある。日本で当たり前の事が海外では当たり前じゃない事は普通にある。それを実感した。


「連絡手段がない」


初めてドイツに渡った時、練習参加するチームに行く為、ミュンヘンからベルリンまでバス、そこから更に新幹線で移動したのだが、チーム関係者と待ち合わせの駅に時間通りに着かず、自分が着いた時には誰もいなかった。

当時WiFiを繋げないと連絡も取れない自分は、通常であればカフェ、バー、レストランに入るのだが、周りを見渡す限り何も無かった。

絶望感と焦りが自分を襲った。

どうするか考えた結果、自分は周辺の家に一軒一軒インターホンを押し、WiFiを貸してくれませんかと聞いて回った。

だがもちろん見ず知らずのアジア人に快く対応してくれる人などいなかった。


ただそれ以外の方法が思い付かず続けていると、やっと一軒、明らかに普通ではない自分に、問題が起きたのか?と家に入れてくれた。

パソコンを使っていいよ。水でも飲むか?シャワー浴びる?と、こんな自分に気を遣ってくれる人がいて本気で泣きそうになった。


結局そこでやっとチーム関係者との連絡が繋がり迎えに来てくれたのだが、この時ほど人の優しさに感動した事は無い。



「盗難」


ドイツはベルリン

当時自分にはタンデムパートナーがいた。

ある日、カフェで勉強していると店の外から男の人が入ってきた。

見た目はどう見てもホームレスで、彼が持っているダンボールには、お金をくれ、俺を助けてくれ、と書いてある。

それを自分達が勉強しているテーブルに置くように見せてきた。

自分達はNein,Sorry.と言い、彼は店から出て行った。


3分後、自分が当時買ったばかり(買って1ヶ月)のiPhone8が無い事に気付く。


そう。彼がダンボールを見せてきたのは、テーブルに置いてある俺の携帯を盗る為だったのだ。


確かに、男が自分達にダンボールを見せた後、店内にいる他の人達に行かず店を出たのには違和感があった。

あの時すぐに気付いていれば…


俺はすぐ店の人にカメラを見せてくれと頼んだが、それは出来ず、タンデムパートナーとすぐに警察へ行き盗難届を出した。

戻ってはこないだろうと言われたがその通りだった。


気を付けてはいたはずだが、どこかで油断していた。

もちろん責任は自分にある。

海外生活を送る際には、盗難、紛失には十分に気を付けた方が良い。

あとは周りの動きや視線等も出来るだけ気を付けていた方が良いかもしれない。






他にも小さい事からそこそこの事まで体験しているのだが、今回はここまで。


こういう体験をしていると、本当に周りには優しくしよう、困っている人がいれば助けようと思ってくる。

それが人として成長する事なのかもしれない。


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