Nicht ruhig bleiben
ドイツにいた時に、移籍をサポートしてくれる人がいた期間があった。
その時はその人に全てを任せていて、チームとの契約やその条件を交渉してくれていた。
ただその期間は短く、またビザの問題についてはノータッチだったため、ちゃんとした代理人とは言えないし、少し助けてくれるというような感じだった。
それでも当時の自分には心強く、また感謝しかなかった。
その人がいない期間は、チームとの交渉は全て自分で行うのだが、ドイツ語が上手く出来ない自分はカモにされる事ばかりだった。
チームはお金を多く使いたくないため、自分のように言葉が分からない相手に対しては色んな言い訳を使って交渉してくるのだ。
そうやって自分は常に給料などの条件を低めに設定されていた。
今だからこそ分かるが、当時は低い条件と思っていなかったのも交渉の経験が無く、低く設定される仕方ないパターンだった。
これも実際に経験しないと分からないし、チームによっても対応は変わってくると思うが、今振り返ると自分は厳しい経験が多かったように思う。
そしてその経験があるからこそ、強めにいくところと、正当に交渉するべきところが分かってきたし、日本人にとっての強めの主張も海外では普通か全く響かないくらいの事だってある。
現所属チームに来る前は、条件は無しだった。
だが自分が必要な条件を言い、それを満たせなければ来ないということ、また他のチームからもオファーを貰っているということで、住む所を用意してくれることになった。
そしてリーグ戦が始まり、練習に取り組む姿勢、自分の今までの経験、試合でのプレーの評価をしてもらった結果、更に給料を出してくれる事になった。
今住んでいる家には足りない物が多いのだが、自分が必要な物を言うと用意してくれるし、対応は変わってきている。
高圧な態度で勝ち取ったものではなく、正当に言ったこと、またサッカーのプレーや練習などに対する姿勢を評価されての事だ。
サッカー選手なのだからサッカーで評価してもらい、それに見合った報酬を得るのは当たり前なのだが、外国人に対してカモのように対応するチームはいくらでもあり、こうやって生活出来る事は実は難しい。
あまりに多くを望んではいけないかもしれないが、自分にはまだ目標があり、その目標に近づくと自然と環境も整ってくる。
貪欲に、自分の望むもの全てを手に入れられるように日々生活していく