Werde ich frei
7月15日で移籍期間が終了した。
オーストリアの移籍事情は他のヨーロッパの国とは違い、選手にとって厳しい環境にあるのかもしれない。
自分が所属しているチームはレンタルの形で加入した選手が多く、そのレンタル期間がこの夏で終わる選手がほとんどだった。
レンタル先を自分で探し、レンタル元であるチームと自分が行きたいチームが話し合い、レンタル期間と値段を交渉するのがここでは普通であり、選手が希望したとしてもチーム間で合意に至らなければ選手に決定権はない。
自分のチームは、昨シーズンの結果と評価から、レンタル期間を延長する事にした選手はほぼいない。
新たにレンタル移籍として加入した選手、買い取った選手、そして元からいた選手で構成される事になる。
練習参加として来た選手は今回かなりの数がいたが、今週になって参加者は激減した。
それに実際に加入する事になった選手はあまり多くなく、その質は決して良いとは言えない。
このチームは自分以外で条件が出ている選手がいない。
その為若い選手が大半となっているのだが、条件が出ていない以上は選手の主張というのが強くなってくる。
レンタル元へ戻す事にした選手の1人で影響力のある選手がいる。
彼がチームに残らない事で、彼を頼りに来た選手達が練習や試合に来ないと言い出したのだ。
これがまたどうなるか分からないが、少なからず影響はある。
来週からの練習でまた見てみようと思う。
今回はコロナの影響でシーズンが中断された上に練習や試合が禁止となった。それなのに移籍期間は例年通りという自分を含め多くの選手にとって移籍は難しいものとなった。
もちろん、その中でも良いチームへ移籍した選手はいるだろうが、ここオーストリアでの移籍の難しさはチームメイトを通じ、また自分の状況からも体感した。
自分は来週日本へ帰る。
東京ではまたコロナ感染者が増えていると聞いた。
日本へ帰国する事でヨーロッパに来るのはまた期間が空く事になるし、自分にとって難しい状況になるのかもしれない。
だが自分は思ったよりもポジティブで、それはコロナ期間でトレーニングの種類や負荷、また新たな目標というのが明確になったからかもしれない。
今までも簡単に物事が進んできた事はあまりなく、これからも簡単にいくことは無いだろう。
それでも自分はその難しい環境を求めており、それが自分を成長させること、成長出来る自分がいることが分かっている。
ちゃんと帰国出来るか不安ではあるが、残りのオーストリアでの生活を楽しみたい。