KentaSato’s blog

欧州蹴球日記 in Croatia

Was ich nicht verstehen kann



1年オーストリアにいた事で、少しはオーストリアのサッカー事情を知る事が出来た。


選手のメンタル的なところや技術、リーグのレベルや仕組みなど、来る前に聞いていた事が本当だったり新たな発見があったりと自分にとっては良い経験にはなったと思う。


自分の思い通りとはいかなかったが、あまり悔いはないと言うか既に先を見ている事でグチグチ言う事もないという感じなのが正直なところだ。


これから自分はまた自分のリズムで生活していく事になるが、その前にオーストリアのサッカー事情を書きたいと思う。




まず自分の知り合いでオーストリアでプレーした事のある人が何人かいるが、その人達から聞いていた事を簡単に言うと、


ドイツよりレベルが下がる為、ドイツリーグで考えると1〜2リーグ下と考えること。


金銭面は悪くなく、貯金が出来るくらいで余裕を持って生活出来る。


オーストリアでは日本人は観光ビザで半年滞在出来るため、1年間それでプレー出来る。

それにワーホリを取ればそこから更に1年滞在出来るため、ビザを気にするのは3年目から


といった情報が来る前に入っていた。

だが実際には自分が滞在しているウィーンとは違う地域でプレーしていた人達の話であり少し違ったのだ。


まずレベルで言うと、確かにドイツと比べたら数段落ちるというのは感じたし、自分のチーム事情で戦術的、選手の質的にも悪かった事を含めてもリーグで対戦したチームで個人的に凄いと感じた事はなかった。


カップ戦で対戦した1つ上のリーグの首位のチームも完全な主力が出ていなかったとしてもそれでも差を感じたとは言えなかった。



金銭面では、これはどこでも当てはまると思うが、だいたい田舎の方がお金を持っているチームが多く、首都や中心部のチームは金銭面で潤っている事はあまりない。


お金を目的とするなら田舎のチームでプレーしていく事を勧めるし、人のあたたかさや家族のような雰囲気があるのもだいたいそういった田舎にあるチームだったりする。


自分は今回少し特別だった事、また結果や内容で他と差をつけた事で生活出来ていた事はあると思うが、他のチームだったらこのように生活出来ていたかは分からない。




ビザに関しては確かに聞いていた通りだが、今回のコロナの影響もありビザに関しては可能性が無くなってしまった。


日本ではまたコロナが広がってきているということで、チームからはそれを言い訳に残ってくれと言われ続けているし、実際また空港に行ってから出発出来ないと言われるのではないかと少し不安になっているところではあるが、自分の中ではもう日本に帰る事は決めている。





オーストリアは移籍事情が少し他とは違うのも感じたし、選手から聞いた事で理解出来ない事もあった。


選手を保有しながらもレンタルとして他チームに移籍させる事が多く行われているのだが、それでお金を貰おうとしているだけなのか、また選手の成長の為のものなのかハッキリしていないところがあった。


チームとして戦力を整え、十分に選手を保持しているのにも関わらず戦力として考えていない選手をわざわざチームに戻してきたり、選手が希望しているのにレンタルさせずにチームに保有するが、プレーさせるのはセカンドチームだったりベンチだったりとそのような選手にとって厳しい状況に陥れる事も多くあるみたいだ。


またスカウトや他チームの関係者が試合を観に来るとの情報が入った場合にスタメンの選手を出場させずに移籍させない手段を取ったりする事があったらしく、選手の為でなくチームの為に姑息な事をやったりするのも聞いた。


全員がそうでないにしろ、そういった移籍の難しさがある事も知ったし、この狭いネットワークではすぐに情報が漏れてしまう。

そうなった時に移籍するのはかなり難しい。


実際に自分も他チームとコンタクトを取った時にはすぐにプレジデントに知られたし、すぐに対応されてチャンスを潰された。


ウィーン、オーストリアに限った事でないかもしれないが、ドイツにいた時にはあまり聞かなかった事で、移籍では特にステップアップに関してはポジティブに勧めてくれる場合が多いと感じていた。


そういった上でステップアップを考えている選手や金銭面で充実したチームを探している場合は、ウィーンはあまりお勧め出来ない。


自分は何人かチームと繋がっている人や、監督、コーチなどチーム関係者と知り合った事もあり、移籍を望む人がいれば通訳やコンタクトの手伝いをする事は可能だが、そういった情報があるのは忘れないで欲しいと思う。




チーム練習は残り1日で、それを最後に自分はオーストリアを去る。


何人かの選手がチームを去った事で、所属している選手が全員集まるかどうかも分からないが、最後は良い練習をして終えたいと思う。